小学生にピアノのレッスン。
堂々と、フォルテで四分音符を刻むべきところで、
ふわん、ふわん、ふわん、ふわん・・・・
と弾いている。
弱い音で、何かを愛おしむ様に弾くのは、
とても得意で、美しく表現出来る子なのです。
ご本人の持つ空気感も、優しい感じ……。
そして「f(フォルテ)」と書いてあるところでは、
少し不安そう……。
今は、
「ここは強く」「テンポキープ」
とお伝えするのは対処療法でしかなく、
根本からなのじゃ!!
と思い、お話する。
(こういったとき、いつも「私が喋った」気持ちはしない。
なんか熱い人が降りてきて、口を使っていくのです……)
————
ここはね、堂々と、みんなを導くの!!!!
女神様みたいに。
しっかり足を踏みしめて。
音楽に引っ張り回されるんじゃないの。
音楽を、自分で、導くの。
その、覚悟!!!!!
————
我にかえった私、
「覚悟ってわかる??」
その後、熱い人の通訳みたいなことを喋ってみたが、
でも通訳不要で、そのまま伝わっていたことが、
直後の演奏を聞いてよくわかりました。
導く!一歩一歩!!!! できてる❤️
が、もうすぐその歩みが終わりに近づいてきたな、と思うと、
そこで「すでに終わってしまう」。
(気持ち、わかるよー!!!!私もそうなるもん……)
「まだ終わってなーい!!!!
終わりが見えても、今はまだ終わってなーい!!!!」
皆を女神様みたいに、一歩一歩導く。
終わる予感があっても命を繋げ続ける。
そんなことを言っているうちにまた正気に戻る私、
「小学生にこんなこと、求めるの、早いかもしれないけど……
『皆を導く!』って思ったことないかもしれないけど……」
熱い誰かからの熱い想いに、確信をもったこの世の私、
「でも、いま、それをやってみてしまいましょう。
ピアノを通して、それをやってみましょう」
小学生の女の子は、私の目を見て、うなづいてくれました。
優しく見守る、支えるだけでなく、
力強く誰かを導く、その体験を、
彼女はピアノの演奏を通して、始めています。
うれしいっ🌟